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AKAPTOT会ニュース第64号(2021年12月)

AKAPTOT会ニュース第64号(2021年12月)

2023.7.19

日本関節運動学的アプローチ(AKA)医学会理学・作業療法士会ニュース

Vol.64  2021.12

  • 『重要なお知らせ』

本会におきましては、新型コロナウイルス感染拡大・予防の観点から2021年度は会則第4条事業1)~4)のうち1)研究発表会、研修及び講習会の開催について中止または延期となっております。それに伴う措置として2020年度までに入会された会員の皆様につきましては2021年度年会費免除および事務局側での更新手続きとさせて頂きました(2021年度入会の方へは2020年度発行の当会会誌を送付)。2022年度は引き続き本ニュース定期発行に加え、学術集会の再開、会誌発行の予定とし、感染状況を鑑みながら、様々な情報を収集し、また皆様の健康・安全面を考慮しつつ前向きに事業の推進を図って参る予定です。(2021年11月時点)

2022年1月より2022年度会員登録更新手続き期間となりますので、皆様におかれましてはくれぐれも手続きをお忘れなきようお願い致します。詳しくは別紙をご覧下さい。

以上、状況ご理解の程何卒宜しくお願い申し上げます。

 

  • 第22回学術集会(福岡)開催のお知らせ

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、残念ながら第21回学術集会(山梨)は延期・中止となりましたが、第22回学術集会として福岡市で2022年10月10日(月・祝)に開催することになりました。

前回大阪での第20回から2年数か月ぶりの開催となることもあり、内容および開催形態含め、当会として新生的な学術集会となると考えられ、皆様にとりまして充実したものと感じて頂けるよう準備委員一同少しずつ準備を進めております。新型コロナウイルス感染など様々な状況に対応できるよう対策も練って参る所存です。

詳細については同封の案内をご覧下さい。また、学術集会専用サイトを立ち上げ、少しずつ情報をアップする予定ですので随時チェックして頂き、是非情報拡散をお願い致します。

多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております.

  • 学術集会開催要項

テーマ  :「AKA-博田法のこれまでとこれから」

開催日時:2022年10月10日(月・祝)9:00~16:00(予定)

会場    :福岡国際会議場 国際会議室501 (2007年 第8回学術集会会場)

福岡県福岡市博多区石城町2-1 https://www.marinemesse.or.jp/congress/

開催形式:(予定)ハイブリット開催(対面式+web配信式)

コロナ感染状況により変更あり

 

  • 令和3年度認定資格更新についてのお知らせ

 5月のニュースでお伝えしたとおり2021年度は各種事業が中止となりましたので更新期間は自動延長となり手続きの必要はありません。そのため本ニュースには更新用書類の同封はしておりませんのでご注意ください。

2022年度以降につきましては事業の開催状況により検討することになりますので決定次第、改めてご報告いたします。

認定委員会

 

  • 動画配信サービスのお知らせ

 動画配信担当 赤木 智(近畿ブロック)

ご存知の通り、新型コロナウイルスの感染拡大・予防の観点から当会の主な事業である研修会の開催が困難な状況が続いています。会員の皆様には大変心苦しい思いをさせていることと存じます。

そうした中、本年6月よりAKAPTOT会学術集会の動画をYouTubeで限定配信しております。プライバシーの問題もあり全てを配信することは困難ですが、皆様の日々の臨床の助けになればと思いますので、ぜひご利用ください。

以下視聴方法を案内します。

  1. 日本AKA医学会理学・作業療法士会ホームページにアクセス(https://akaptot.com/)
  2. 会員専用ページにログイン
  3. その他の項目の動画配信をクリック
  4. 演題をクリックすると動画が視聴できます。

配信スケジュールは以下の通りとなっています。

配信時期 AKAPTOT会学術集会
2021年6月1日~

(現在配信中)

2019年 第20回学術集会(大阪)

AKA-博田法・ANT 未来(明日)への道標

2021年9月1日~

(現在配信中)

2018年 第19回学術集会(愛知)

臨床力を高める

2021年12月1日~

(現在配信中)

2017年 第18回学術集会(山口)

AKA-博田法・ANTと動作

2022年3月1日~ 2016年 第17回学術集会(福岡)

専門職として存続するために~評価と治療の妥当性~

2022年6月1日~ 2015年 第16回学術集会(神奈川)

運動療法と関節の機能

  

  • リレーコラム(第23回)

コロナ禍における自己研鑽

東海・北陸ブロック 萩原 康仁

大昔担当させていただいたある入院患者が、関節リウマチで常に強い関節痛を訴えていた。しかしながら、当時の理学療法には物理療法でいう温熱療法と、運動療法でいう伸張運動しかなく、どれも治療効果があるとは考えにくく、疼痛緩和というわけにはいかなかった。特にストレッチでは痛みを伴いながらも、セラピストが実施することが普通だった。関節可動域制限の制限因子を判別するという思考自体がなかった時代だったと思います。

何にも出来なかった自分は、色々調べていくものの解決できるようなものは見当たらなかった。ある日、AKAを用いれば無痛下でストレッチが行えると教えられ、この技術を身に着けることで、自分も患者も随分救われると感じた。関節可動域制限の原因には痛みによるものが最も多く、その痛みの原因は仙腸関節や脊柱の関節機能障害で、その機能障害を治すためにAKAを用いることが出来る。またストレッチ時には、関節運動を考慮してストレッチを行えば無痛下での伸張が可能という技術で、これがAKAとの出会いであり、その後のAKAとの関りとなった。

ただ、その技術習得には多くの時間と労力が必要で、いかに継続的に技術やモチベーションの維持・向上を図り、技術の難しさを克服することとどう向き合っていくのかの連続でした。

以前学術集会で、「形(型)の表現、動きの表現、力の表現」どれにあたるかを考えることが、テクニカルスキルの向上のために有用であるという内容がありました。振り返ると自分は、その「型の表現」のみで自分のフォームばかり意識して、練習を積み重ねてきたのではないか。自分にとってAKA-博田法の技術を極める上で大切なことは、型(技術)を習得することで、型を作るには忠実にコピーするという練習だった。勿論、型ができているということは大前提ですが、プロセスばかりにとらわれて、手の形に意識が向くあまり、指先に力が入りすぎてしまい感覚で操作すること、力を伝えていくことを意識することができなかった。(以前のコラムにもありましたが、正しい素振りができない、同じ素振りができない、感覚の再現性がなかったと感じます。)関節を操作するということは、力を入れて操作しなければならないと思考した(powerじゃないことの自覚が足りなかった)結果、静的反射が亢進し副運動が判らない。構成運動に至っては、関節面の運動を誘導するというより、動きを止めてしまうという状況だったと思います。

今回、このコロナ禍の中、練習量で積み上げることができなかった、また各事業が中止・延期され練習する機会が少なくなったことから、この頃より毎週自宅で人体骨格模型を治療台に横たわらせ、スタンドミラーで操作を確認し、接触部位・骨隆起・軌道・スピード・圧を確認しながら、「動きの表現・力の表現」を意識して真摯に自己練習してみました。すると、相手の立場に立って動作を考える(骨に密着させ、関節面の動きを感知することを意識する)機会になり、今まで「指導内容を忠実にコピーする」ことが技術習得の本位だった自分から、どう操作すれば抵抗感なく動かせるのか、その運動の軌跡を描くことが出来るのか意識するようになった。

博田先生の「密着した後は、力は要らない!」とのご指摘は、今までただ、力いっぱい・精いっぱい一生懸命繰り返すのではなく、その型の意味を理解し、どのようにすれば動きを感じられるのかを意識するということが自分には欠けていたのではないかと感じます。また、「いつも速いんだ!」とご指導いただいた。でも速いとはどういう意味か分からなかった。だから修正されても再現性がなく、自己流となり修正が効かなくなるという連続だった。「ゆっくりやれば良い」ではなく、「どう密着を意識すればいいのか」「どのようにすれば動きを感じられるのか」で、必然的に操作が変化し、また手順の意味を理解することが出来た気がします。さらに、「腰で押して・腰で引っ張る・腰を低くして・腰を使ってない」「最初から触りに行ったら動かない」との指導も、意味を理解することが出来るようになった気がします。(今更恥ずかしい限りですが…。)

AKA-博田法には、どれだけ本質を考える力があるか、何故を考え、本質を見ようとするその思考法を学ぶことが大切なんだと気付かされた様に感じます。物事や動作や手順には必ず意味がある、本質があります。その本質を捉えることこそが、その技術の質を高めることになると思います。この感覚をモノにするのが一番の技術向上の早道ですが、その感覚をモノにするのが一番の難しさだと感じます。博田先生と同じ技術にはなりませんが、少しでも近づくことが出来るよう、これからも、そして幾つになっても何度でも挑戦し続け、AKA-博田法の灯を灯し続けたいと思います。

 

  • 都道府県別会員数  1027名 (令和3年11月22日現在)

北海道   8    青森  1  秋田    6    岩手   4    宮城    5    山形   16

福島     6    茨城    5    栃木   35    群馬   11    埼玉   34    千葉   46

東京    54    神奈川 106   新潟   1    富山   2    石川    1    福井    2

山梨   142    長野    6    静岡   21   岐阜   7    愛知   25    三重    1

京都    21    滋賀   10    奈良   15   和歌山 12    大阪  105    兵庫   29

岡山    15    広島   15    島根    5   鳥取  11    山口   47    徳島   25

高知    13    香川   19    愛媛   11    福岡  55    長崎   31    熊本   14

大分    13    宮崎    2   鹿児島  9    沖縄   10

  

  • 日本AKA医学会理学・作業療法士会

事務局 E-mail : aka-pt@dream.ocn.ne.jp(お問合せはE-Mailでお願い致します

 

(編集後記)

今年のプロ野球日本シリーズは実に面白く、これぞbaseball!という熱戦が繰り広げられています。‘一球で仕留める’‘一撃で仕留める’という選手の集中力にはthe profession!!を感じ、自分も臨床・AKAでこうあらねばならないのだが…と感じる編集者です。

10月くらいから急激にコロナ新規感染者が減少し、編集段階(R3.11月末日)では8月の第5波時の1%未満の推移となっています。なぜ??コロナウイルスが修復酵素の変異により自滅??よくわかりません…。世界的にはアフリカで新株発生、韓国やヨーロッパをはじめ拡大傾向にあり、本邦でも年末年始で人流が増え、年明けに第6波のphaseに入るとのデータも出ているようです。ワクチンブースター接種の予定もありますが、2度目接種の副反応がしんどかった編集者ですので閉口気味です。そんな中、当会事業は状況を鑑みつつ前向きな検討を開始しており、来年10月には福岡で学術集会の開催が決定しています。夏前くらいから本格的に準備を開始し、様々な状況にも対応できるよう対策を練っております。別紙の如く、学術集会専用サイトも開設済で、随時情報を配信していければと考えています。久しぶりの開催ですし楽しみにされ、是非多数のご参加をお願い致します。当会事業の肝は何といっても技術研修会になりますが、これについても状況を加味しながら開催を模索して参る予定です。近況情報について、ウェブサイトを時折チェックして下さい。

今回のリレーコラムはブロック理事の萩原先生に執筆頂きました。「AKA-博田法には、どれだけ本質を考える力があるか、何故を考え、本質を見ようとするその思考法を学ぶことが大切」…確かにそう感じます。

来年1月より来年度の会費納入および更新手続きが始まりますので、くれぐれもお忘れなきよう手続き下さい。詳細は別紙をご確認下さい。

それでは少し早いですがこのままの小康状態で推移し、来年こそは皆様にとりまして少しでも良い年となりますように。そして、来年こそは全国津々浦々の素敵な仲間に会える日が来ますように…。