歴史

歴史

AKA-博田法の歴史

博田節夫先生は、整形外科入局当時の術後後療法に疑問を感じ渡米。『物理医学とリハビリテーション』の研修医、講師、助教授として活躍されたが、その治療法の一つである運動療法の有用性と限界を感じていた。
帰国後の1979年 関節運動学を導入して運動療法の修正に着手。その時、関節リュウマチの関節拘縮を対象に、凹凸の法則を利用した伸張運動では痛みが生じないことを発見した。
また、腰椎椎間関節離開法により腰痛・下肢痛が改善。これにより、従来、神経・筋の治療では改善しなかった筋骨格系の痛みは、関節にその原因があると確信し(関節機能異常)、『関節モビリゼーション』として他の部位の関節を治療する手技の開発に着手することになる。

1980年 肋椎関節、胸肋関節および胸鎖関節の手技を開発。
仙腸関節の局所麻酔注射から仙腸関節原性の痛みの存在を知り、仙腸関節副運動技術の開発を開始。
1983年 名称を『関節運動学的アプローチ(AKA)』と改称する。
1990年 「関節運動学的アプローチ 第1版」発刊
仙腸関節原性の痛みの診断基準の作成(仙腸関節機能異常、単純性仙腸関節炎、仙腸関節炎特殊型)
2002年 AKA関連技術として『関節圧迫法』の開発。
2003年 『関節運動学的アプローチ(AKA)‐博田法』に名称変更
FIMM(International Federation for?Manual/Musculoskeletal Medicine);
ヨーロッパを中心とした徒手医学をメインテーマに据えた国際学会 に加入
『関節運動学的アプローチ(AKA)‐博田法(最新の治療技術)DVD版』発行
2004年 関節圧迫法と脳卒中の新しい運動療法が統合され、『関節神経学的治療法(ANT)』を確立。
2007年 「関節運動学的アプローチ‐博田法 第2版」発刊
2010年 関節運動学的アプローチ(AKA)‐博田法 DVD版 第2版 発行
2011年 関節神経学的治療法(ANT)DVD版 発行

関節静的反射が軟部組織の緊張を調節していることを発見され、関節神経学を考慮することになり、AKA-博田法の技術は理論的にも技術的にも完成するに至った。

AKA-博田法は、関節拘縮の治療から始まり、関節機能障害による痛みの診断と治療、神経筋再教育や筋力増強などのアプローチへと進み、さらに関連技術であるANTとの組み合わせにより、脳卒中をはじめとした種々の神経系疾患の治療および訓練に効果をもたらしている。

(『第35回日本関節運動学的アプローチ医学会学術集会 基調講演』より一部抜粋)

博田 節夫 プロフィール

博田 節夫

1933年 高知県に生まれる
1958年 大阪大学医学部卒業
1967年 米国Baylor大学勤務
1970年 Baylor大学講師
1971年 Baylor大学助教授
1971年 星ヶ丘厚生年金病院リハビリテーション部長
1976年 国立大学大阪南病院理学診療科医長
1990年 有馬温泉病院副院長
1991年 八尾徳洲会病院常勤顧問
1992年 博田理学診療科院長(~2005年)
1993年 日本関節運動学的アプローチ(AKA)研究会理事長
2004年 日本関節運動学的アプローチ(AKA)医学会理事長
2010年 日本関節運動学的アプローチ(AKA)医学会会頭

関節運動学アプローチ(AKA)の名称について

「関節運動学的アプローチ(arthrokinematic approach : AKA)は関節包内運動の治療技術として紹介されてきたが、海外ではarthrokinematic approachは一般に、関節包内運動を治療する技術の総称で、joint mobilizationなど全てを含む呼称である。それ故、我々の使ってきたAKAが、他と違った特殊な術であることを示すため、日本語は関節運動学アプローチ-博田法、英語はarthrokinematic approach-Hakata methodという名称を用いることとした(2003年4月)。なお、省略形としてそれぞれAKA-博田法またはAKA-Hakata methodと呼ぶこととする。」

第四回AKA-PT会学術集会特別講演抄録より抜粋

なお当会の刊行物や講義で「AKA」と表記または表現されている場合は「AKA-博田法」を指します。